株式会社りらいふ

2006年07月21日

立場変われば ・・・ ガス屋さんの話を聞いて思ったこと

先日、ガスショップに勤めていた方からお話を聞く機会がありました。

話題は、最近普及が著しく進んでいるオール電化についてです。オール電化を商売にさせていただいている者としては、対極の立場にある方の話を聞くのは非常に関心があり、興味深く拝聴いたしました。話の内容は概ね次のような内容でした。
「家庭で使われるエネルギーの大半は電気やろ?照明もテレビもエアコンも・・・関電さんが販売する電気で得る売り上げと利益は相当なはずや。それに引き換え我々ガス屋が使ってもらえるのはコンロや給湯器がほとんどで他に出番は少ないし、得る売り上げも電力の比ではない」 ・・・ なるほど、確かに電気とガスの需要バランスは電気の方が大きい。しかも、そのガス器具とて電気が無いと今日ではほとんどが使えない有様だ。

話はさらに続く。「これまでは関電も大ガスも共存共栄やと思っていたが、細々とつながっていたガス需要までオール電化でかっさらっていくとはひどい話やないか・・・関電は欲ばりすぎ。零細ガス業者までいじめている・・・」 と、まあこのような調子のご感想であった。「そんな風に見られていたのか・・・」予想もしなかった内容で、オール電化を推進している身としてはいささかショックな意見でもあった。しかし、翻って考えてみれば、私も立場が逆であったなら同じように感じていたのではないか?・・・
実際、LPガス区域でオール電化の工事をする際、LP業者さんがガスボンベの撤収に来られる場合がある。そんな時、内心後ろめたく、なによりもバツが悪いものだ。だが、こちらとしても商売であるし、お客様が選んだ結果なのだから、悪びれることもないのだが・・・それでも心の中では「ガス屋さん、悪く思わないでな、お宅さんの商売を邪魔するつもりは無いねんけど・・・」などと、思う。
しかし、先の元ガスショップの方の意見に弁明する意味でも、ここで少しこちら側の事情や思いを述べさせていただくのも必要かと感じた。
もちろん、弱いものいじめだとかが理由でオール電化を推進、普及に努めているつもりではない、と言うことですが・・・。
関電は、中小、零細業者が多いLPガス地域では、極力直営の営業部隊の投入は避けています。(地域的な事情でやむを得ず廻っている営業所もたくさんあるが)但し、直営以外の業者(電気屋さん、訪問販売等々)が押し寄せて廻ってくるので結果的にはLP地域のオール電化転換率は高くなってきているのかもしれません。理由はLPガス料金が都市ガスに比して高く、オール電化にした方がお得なケースが多いからです。それまでのLP地域のユーザーはLPガスが高いと思っていてもそれに依存するしかない現状にあり、オール電化の登場で選択肢が増え、結果、有利な方の道を選んだからに過ぎないだけです。
曰く、「高い光熱費を払い続けたくないから」・・・です。
競争原理に照らして考えればユーザーの選択は当然で、買い手にとって選択肢が多いということは良いことです。逆に売り手にとっては競合が少ないほど有利な条件で商売ができますが・・・。資本主義社会にあってはすべて同じ理屈で日常展開されているはずです。競合相手に勝つにはより魅力的な内容を生み出す努力や工夫が必要で、他より優るものだけが生き残るわけですから・・・。オール電化は時代が生んだ新しいライフスタイルという商品であり、ユーザーにとっては新しい選択肢の1つに過ぎないだけで、欲張りでもいじめでもあるはずがないのです。しかし、有体に言えば、市場経済では“欲張り”が勝ち、その影で負けたものが泣く“いじめ”のような構図があるのもまた事実でしょう。個人的には勝ち組、負け組みという冷淡な分け方は嫌いですが、市場経済社会にあってはユーザーが喜ぶ商品やサービスを生み出す行為は絶対的な【善】であり、【善】を成した者だけが勝者であり、正義でもあるわけです。オール電化の普及率はまだまだ低く、ガス業界の脅威とまでには至っていない、と私は見ていますが、いかがでしょうか?今はまだ家庭の熱源の勝ち組は依然ガス屋さんであると思っています。但し、電力会社とガス業界は今後もユーザーが喜ぶ工夫を重ねて競争していくのは間違いないでしょう。

では、電力会社はなぜそれまでの電力販売だけではもの足らずにオール電化という“商品”を世に送り出したのでしょうか?それは電力を生み出すシステムの事情が背景にありました。
あとは長くなるので次回にお話をさせていただくことにします。それではまた。