株式会社りらいふ

2006年08月06日

オール電化が登場した背景

この文章の内容は私個人の推測、見解であって、電力会社側の真の見解ではありません。従って、もし、誤りや誤解があれば、ご指摘ください。また、ご意見、ご感想などもいただければありがたいです。(当ホームページのお問い合わせからメールでお寄せください)

日本の電力会社は現在10社あり、それぞれの受け持ち地域において【電気の安定供給】を理念に日夜発電、供給しています。10社と言いましたが、近年の電力自由化に伴い新たに電力の販売に参入してきた会社(PPS)も徐々に増えつつあります。
既存電力会社にとって自由化による競争原理の導入は、それまでの“独占販売”の優位性を崩壊させましたが、新たなるエネルギー産業へと止揚し、生まれ変わる絶好の機会を得たのではないでしょうか。
【オール電化】は、そのような競争の波にもまれ始めた電力会社が考案した商品の1つであり、顧客サービスでもあります。ガス会社の独占販売に近かったガスコンロや給湯器などのエネルギー源を電気に換えてもらうのが【オール電化】です。当然、ガス会社にとっては、面白くない【商品】が登場したと思うでしょう。

今回の独り言は【オール電化】が登場するまでの経緯とその背景にある事情などをブツブツとつぶやこうかな、と思っています。
【オール電化】と言えば、人気の省エネ給湯器・エコキュートとやはり主婦に人気のIHクッキングヒータの組み合わせが何といっても欠かせません。エコキュートは空気の熱を利用してお湯を沸かすので光熱費が安いのが“売り”ですが、さらに電力会社の【深夜電力割引制度】が適用され、夜間の安い電気(通常の7割安)でお湯を作って貯めることで、より経済性が増すわけです。

では、なぜエコキュートを導入するとお得な【深夜電力割引制度】が適用されるのでしょう?すでにご存知の方も多いかと思いますが、電力会社の発電設備や運転は一日のうちで最も大きい需要にあわせて稼動しています。対して、人々の活動が少ない夜間の電力需要は昼間に比べて大きく落ち込みます。夜間の需要が落ちれば発電所のタービンを止めるか、運転をセーブすれば良いと思いがちですが、そういうわけにはいかないそうです。ベース電源といって原子力や一部の水力、火力発電は一日24時間、需要の大小に拘わらず定格運転を続け、細やかな出力調整が出来ないようになっているらしいのです。当然、需要が落ちればせっかく作った電気は使われません。使われない電気はもったいないことに地中深くに流れて消滅するだけです。捨てるくらいなら電池などに貯めてまた使えば良いと思うでしょうけど、私たちが使っている交流の電気は貯めることができません。電池などは直流だからある程度貯める事ができるのです。

電力会社も電気を捨てるという【無駄】を黙って見過ごすはずがありません。そして、この【無駄】の解消に一役買っているのが【深夜電力割引制度】です。夜間に消滅して無駄になっていく電気をたとえ原価割れの価格に下げてでも買ってもらおう、というわけです。では、誰にどのようなかたちで買ってもらえるのか?電気は貯められない。代わりに電気を別の形にして貯めるモノができないか・・・?そこで誕生したのが電気温水器でした。夜間の安い電気で作ったお湯をタンクに貯めて使う給湯器です。電気温水器を導入してくれた需要家に夜間の電気を買ってもらうかわりにお安く割り引く【深夜電力割引制度】を導入したのです。

私も平成元年頃から電気温水器の拡販に関電さんやメーカーさんと一緒になって販売していました。が、・・・これがなかなか売れないんです。確かに【深夜電力割引制度】が適用されて光熱費は安くはなるのですが、大きくて場所をとり、性能もガス給湯器と比べると劣っているのが要因でした。電気温水器そのものは商品として魅力的なものではなかったのです。それでも夜間電力を無駄にしないためにも、電気温水器のように夜間に電気を使う機器を普及しなければ大変なことになってしまいます。
メーカーさんも努力の末、やがて電気温水器もガス給湯器なみに性能も上がり、少しづつ普及しはじめます。激変したのはIHクッキングヒーターの登場(平成7年頃)でした。IHの使い勝手のよさが主婦に人気を呼び、IHと電気温水器の組み合わせでオール電化が可能になったのが始まりでした。そして、【オール電化】の人気が本物になったのはエコキュートの登場(平成13年)が発端です。エコキュートは商品としてセンセーショナルで魅力的でした。もともと人気のあったIHとエコキュートが巡り合い、
“はぴeプラン”という【深夜電力割引制度】がセットになり、【オール電化】というシステムとしての商品が認知されて、現在の人気につながりました。手短にお話しましたが、、【オール電化】登場の背景はざっとこのような感じです。私なりにお伝えしたつもりですが、間違いや誤解があればご指摘くださればありがたいです。それではまた・・・あ~しんどかった。